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補助金・助成金

1.補助金・助成金とは?

 補助金、助成金は、融資と違い返済が不要なものをいい、そのまま会社の収益となります。
 補助金は、国や地方公共団体が、ある一定の政策的な意図を持って事業の健全な発展を後押しするために支給されるもので、主なものとしては経済産業省系の補助金と自治体独自の補助金があります。
 経済産業省系の補助金は、起業促進、地域活性化、女性若者の活躍支援、中小企業振興、技術振興などを目的として実施されるもので、基本的に公募制です。公募制のため、審査があります。補助金の目的と会社の事業計画が合致しているかについて考慮した上で、審査に通過できるかどうかが決まります。審査倍率は、10倍程度となるものもあります。例としては、創業補助金、小規模事業活性化補助金などが挙げられます。
 自治体独自の補助金は、地域内の産業振興を目的として実施されるものです。内容は多岐にわたります。例としては、融資の利子補給、信用保証料補助、店舗の家賃補助、ホームページ作成費用補助金、展示会出展費用補助金などが挙げられます。
 当事務所では、経済産業省系の補助金はかかる時間の割に採択比率も低いため、取扱を行っておりません。あらかじめ、ご了承下さい。
 これに対し、助成金は雇用促進、労働者の職業能力向上などを目的として、厚生労働省が実施するもので、会社が払う雇用保険料が原資となっています。助成金は経済産業省系の補助金とは違い、審査という概念がないため雇用保険に加入し労災保険料や雇用保険料を支払い、かつ必要書類を整えればほぼ確実に受給できます。そのため、経済産業省系の補助金に比べ、助成金は利用しやすい制度と言えるでしょう。例としては、特定求職者雇用開発助成金、トライアル雇用奨励金、キャリアアップ助成金などが挙げられます。

2.補助金・助成金のメリット

① 返済不要で会社の収益となること

 融資の場合は返さなければならないと言うことから、貸借対照表では負債に区分されます。これに対し、補助金、助成金は会社の収益であることから、貸借対照表ではなく損益計算書の営業外収益に区分されます。そのため、法人税の課税対象となります。仮に、200万円の助成金をもらった場合を見てみます。利益率が50%であれば、売上が400万円、20%であれば、売上が1,000万円必要となります。そのことを考えると、補助金、助成金を受給できることは会社の資金繰りに好影響を与えることとなります。

② 社外向けのPR材料にできること

 補助金、助成金を受給できると言うことは、公的機関のお墨付きを得たこととなり、対外的信用獲得につながります。また、融資を受ける場合は有利に働きます。

③ 会社の業務遂行体制のチェック

 補助金、助成金の提出書類を作成する際には、会社の業務遂行体制がしっかりしていないことには、スケジュール管理、計画の実行、書類のとりまとめをすることもできません。
 そういう意味において、会社の業務遂行体制を見つめ直すことは会社を将来よりよい方向に持って行くことにもつながります。

④ 従業員満足度の向上

 厚生労働省系の助成金は評価制度等の労働環境の向上、従業員の教育訓練など「従業員のために使った費用」を補助するものです。労働環境の向上や従業員への教育に投資することは、企業価値が向上し、ひいては従業員満足度の向上につながります。そういう投資を行うことは、求職者にとっても魅力的に映ると思いますし、人材獲得のための有効なアピール材料ともなります。また、採用した人材が長く働き続けることもできると思います。

3.補助金・助成金のデメリット

① 後払いであること

 補助金、助成金は融資のように申請された時点ですぐに入金されるものではありません。
原則、計画通りに実施した後に入金されます。つまり、後払いであることです。そのため、補助金、助成金が実際に入金されるまでの経費やコストは自前で負担する必要があります。

② 手間がかかること

 補助金、助成金のことについて、ホームページや書籍で自分の会社に適した補助金、助成金を見つけ出すことは大きな手間だと思います。自分で提出書類を作成する場合は、作成する時間も必要となります。慣れないことですから、余計に時間がかかることとなります。それであれば、助成金の専門家である社会保険労務士に依頼すれば、安い費用で手間をかけずに申請ができますので、一度依頼を検討していただけるとありがたく思います。

4.助成金制度

 平成29年度の雇用関係助成金は、生産性要件が追加されたことが大きなトピックです。

 助成金だけでも数が多いため、主なものをピックアップして説明いたします。

 各制度の詳細については「主な助成金制度」のページをご覧ください。

① 雇用調整助成金

 休業、教育訓練や出向によって、労働者の雇用を維持する場合に支給されます。

② 特定求職者雇用開発助成金

 高齢者、障害者、母子家庭の母、父子家庭の父などの就職困難者を雇い入れた場合に助成されます。

③ トライアル雇用奨励金

 安定就業を希望する未経験者を、試行的に雇い入れたい場合に助成される制度です。

④ 職場定着支援助成金

 評価、処遇制度や研修制度の整備、介護労働者のために介護福祉機器の導入等や賃金制度の整備を行う場合に、助成される制度です。

⑤ キャリアアップ助成金

 有期契約労働者などの企業内でのキャリアアップ等を促進する取組を実施した事業主に対して助成される制度です。

⑥ 人材開発支援助成金

 労働者に職務に関連した専門的な知識および技能の習得のための職業訓練などを受けさせた場合の訓練経費や訓練期間中の賃金の一部等を助成する制度です。

⑦ 職場意識改善助成金

 中小企業における労働時間等の設定の改善を通じた職場意識の改善を促進するため、職場意識改善に係る計画を作成し、この計画に基づく措置を効果的に実施した中小企業の事業主に対して、助成金を支給する制度です。

5.摂津市の補助金情報

 摂津市の補助金情報について、主なものをピックアップして説明いたします。

 各制度の詳細については「摂津市の補助金情報」のページをご覧ください。

① 中小企業育成事業補助金

 摂津市内で事業を営む中小企業者が研修や展示会等への参加、施設への入居の場合に5万円を上限に摂津市から補助されます。

② 摂津市商工業活性化補助金

 摂津市内のイベントの参加など、市内商工業の活性化に結びつく取り組みに対して、費用の一部が摂津市から補助されます。

③ 摂津市中小企業事業資金融資

 摂津市内で事業を営む中小企業の方が、一定の融資を受ける場合、借入金完済後に摂津市から利息の1/2、保証料が補助されます。

④ 摂津市起業者融資補助金制度

 摂津市で創業された方、創業を予定されている方に対して、一定の創業融資を受ける場合に、摂津市から一律5万円が補助されます。

6.助成金申請料金 (成功報酬制)

 当事務所の所長は社会保険労務士と税理士資格を有しておりますので、税理士業務と社会保険労務士業務をご依頼いただいたお客様には、助成金申請料金を割引させていただきます。