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不動産運用サポート

 賃貸物件をお持ちの大家さん、土地運用をされている地主さん、アパート・マンション経営をしている方、不動産を売却された方など、不動産に関する税金や記帳代行、確定申告に関するお困りごとをお手伝いしております。

 当事務所の所長も不動産オーナーとしてマンション経営をしながら、税理士をしておりますので、同じ目線でアドバイスすることができます。税務申告だけではなく、不動産オーナーの資産を大切にお守りするために節税対策にもトータルでご相談に対応しております。

 私も以前は別の業界でサラリーマンをしておりました。そういったこともあり、初めて簿記や税金のことに触れたときは、不安を覚えたものです。ですから、初めて不動産投資をされる方は確定申告と聞くと不安を覚えるものではないかと思います。初めて不動産投資をされる方もそうでない方も、お困り事がありましたらお気軽にご相談ください。

1.不動産に関する確定申告

 個人の不動産に関するもので確定申告の対象となる所得には、不動産の貸付による不動産所得と不動産の売却による譲渡所得がございます。

 当事務所では以下のような方の確定申告のお手伝いをさせて頂いております。

 ■ 不動産所得

 ① 地主の方
 ② アパートやマンションから家賃収入を得られている方(大家の方)

 ■ 譲渡所得

 ① 不動産を売却された方
 ② 不動産が国や市町村に収用された方
 ③ 不動産を買い換えされた方

2.不動産所得のある方へ

 不動産所得は、以下の算式で計算します。
不動産所得=総収入金額-必要経費

 総収入金額に算入される金額は、以下の通りです。

 ① 通常の地代

 ② 家賃・共益費

 ③ 権利金・名義書換料・更新料・礼金(本年中に収入が確定したもの)

 ④ 敷金・保証金のうち返還不要が確定したもの

 ⑤ アパート・マンションの賃借人から受ける水道料・電気料など


 必要経費に算入される金額は、以下の通りです。

 ① 租税公課(固定資産税・事業税・不動産取得税・登録免許税・利子税)

 ② 損害保険料

 ③ 修繕費(資本的支出に該当するものは除く)

 ④ 減価償却費

 ⑤ 借入金利子

 ⑥ (共用部などの)水道光熱費

 ⑦ 立退料・取壊費用

 ⑧ (建物などを)取壊・除却・滅失した場合に生じた損失

 ⑨ 未収家賃の貸倒

 ⑩ 管理会社に支払う管理費

 ⑪ 入居者募集のための広告宣伝費

 ⑫ 税理士などへの報酬

 ⑬ その他の雑費


 不動産所得が赤字の場合は、他の所得と通算することができます。これを、損益通算といいます。通算できる所得は、事業所得、不動産所得、(土地・建物以外の)譲渡所得、山林所得です。

 不動産オーナーの確定申告においては、事業的規模の判定が重要です。判定のフローチャートを示すと、以下の通りです。
判定のフローチャート

 事業的規模であるか否かで、税務上の取扱に違いがあります。具体的には、以下の通りです。
項目 事業的規模 事業的規模でない
青色事業専従者給与 家族従業員に支払う適正給与額を経費算入可 適用なし
白色事業専従者控除 配偶者は86万円まで、その他の家族は50万円まで経費算入可 適用なし
青色申告特別控除 複式簿記による記帳を行っている場合は65万円 10万円
固定資産の損失 全額必要経費算入可 損失控除前の不動産所得金額が限度(赤字は切捨て)
未収家賃の貸倒処理 貸倒が発生した年分の必要経費 貸倒金は必要経費とならず、その賃貸料分については収入金額がなかったものとして取扱

 また、青色申告の承認を受けることで、税務上の特典を受けることができます。特典の主な内容をまとめると、以下の通りです。

特典 内容
①青色申告特別控除 どのような方でも税務署の承認を受ければ、10万円控除の適用を受けることができます。
賃貸住宅経営を事業的規模で行っており、複式簿記による記帳を行っている場合は、確定申告書を期限内に申告すれば65万円の控除を受けることができ、高い節税効果が得られます。
②青色事業専従者給与 賃貸住宅経営を事業的規模で行っている場合は、生計を一にする配偶者や親族がいる場合、税務署に届出を行った金額の範囲内で適正な給与について、必要経費算入が認められています。
③純損失の繰越控除等 事業を開始した年や多額の設備投資をした年においては、所得が赤字になることもよくあります。その場合、青色申告の場合、翌年以降の3年間において所得が黒字の場合、各年の所得から差し引くことができます。また、赤字が発生した前年の所得が黒字の場合、前年の黒字の所得へ繰り戻して還付を受けることもできます。

 青色申告の特典を受けるためには、以下の要件を満たす必要があります。

  ① 法定の帳簿書類を備え付けて取引を記録し、かつ、保存すること
  ② 税務署長に青色申告の承認の申請書を提出してあらかじめ承認を受けること

 青色申告承認申請は、原則は青色申告による確定申告をしようとする年の3月15日までに提出する必要があります。また、青色申告による確定申告をしようとする年の1月16日以後、新たに事業を開始したり不動産の貸付けをした場合には、その事業開始等の日から2か月以内に提出する必要があります。

3.不動産を売却された方へ

 不動産を売却した場合の所得を譲渡所得といい、給与所得など他の所得と分けて、所得税、住民税が課税されます。これを、分離課税といいます。

 譲渡所得は、不動産の所有期間に応じて2種類あり、税率は下記の通りです。

課税区分 内容 所得税※ 住民税
①短期譲渡所得 譲渡年の1月1日において所有期間が5年以下のもの 30.63% 9%
②長期譲渡所得 譲渡年の1月1日において所有期間が5年超のもの 15.315% 5%

※ 所得税には、復興特別所得税の税率(所得税の2.1%分)も含めております。

 課税される譲渡所得(課税譲渡所得)は、短期譲渡所得、長期譲渡所得とも以下の算式で計算します。

課税譲渡所得=譲渡収入金額-(取得費+譲渡費用) -特別控除額

 譲渡収入金額に算入される金額は、通常は資産の譲渡によってその年において収入すべき事が確定した金額をいいます。ですから、その年中に一部しか受け取っていない場合であっても、すべての金額が譲渡した年分の譲渡収入金額となります。金銭以外の物や権利で受け取った場合は、その物や権利の時価となります。また、年の途中で売却した場合の、固定資産税、都市計画税の精算金も含みます。

 取得費に算入される金額には、土地や建物の購入代金または建物の建築代金、購入手数料のほか設備費や改良費なども含まれます。譲渡資産が建物などの減価償却資産の場合は、購入代金または建築代金などの合計額から、譲渡時までの減価償却費相当額を差し引いた金額を差し引いた金額となります。

 その他に、以下のものも取得費に含まれます。

  ① 土地や建物を購入したときに支払った登録免許税(登記費用も含みます。)、不動産取得税、印紙税
  ② 立退料
  ③ 土地の埋立てや土盛り、地ならしをするために支払った造成費用
  ④ 土地の取得に際して支払った土地の測量費
  ⑤ 所有権などを確保するために要した訴訟費用

 土地や建物の購入代金が不明の場合や取得費が譲渡収入金額の5%相当額を下回る場合は、取得費の額を譲渡収入金額の5%相当額とすることができます。
 譲渡費用とは、土地や建物を売るために直接かかった費用のことです。譲渡費用に算入される金額で主なものは、以下の通りです。

  ① 土地や建物を売るために支払った仲介手数料
  ② 印紙税で売主が負担したもの
  ③ 貸家を売るため、借家人に家屋を明け渡してもらうときに支払う立退料
  ④ 土地などを売るためにその上の建物を取り壊したときの取壊し費用とその建物の損失額
  ⑤ 既に売買契約を締結している資産を更に有利な条件で売るために支払った違約金 
  ⑥ 借地権を売るときに地主の承諾をもらうために支払った名義書換料など

 土地や建物を譲渡した場合において、一定の要件を満たす場合に適用される特別控除額は、次のようになっています。

  ① 収用等により土地や建物を譲渡した場合 …5,000万円
  ② 居住の用に供している家屋やその家屋とともにその敷地を譲渡した場合…3,000万円
  ③ 特定土地区画整理事業等のために土地を譲渡した場合…2,000万円
  ④ 特定住宅地造成事業等のために土地を譲渡した場合…1,500万円
  ⑤ 平成21年及び平成22年に取得した国内にある土地を譲渡した場合…1,000万円
  ⑥ 農地保有の合理化等のために農地等を譲渡した場合…800万円